宝物

 

唐突ですが、皆様にとって「宝物」はなんですか?
私はまず最初に浮かんだのはありきたりかもしれませんが家族、友達そしてペットの猫たちです。
その他にはと考えてみましたが思いつきません…
では人生の先輩方である住民の皆様が大切になさっているものはなんだろうと気になりました。
そこで今回は「宝物」をテーマにしてみました。



まず住民の方に趣旨をお伝えすると、殆どの皆様が「宝物かぁ…」と悩まれていました。
そこで「思い出の品」「大切になさっているもの」とお話しをすると、それならばと色々見せていただくことができました。
「宝物」と言ってしまうと高価なものというイメージがあるのかもしれません。










こちらの方は以前レジデンスの手作り教室で作ったハーバリウムです。
まだ転居されて間もなくで、お友達ができるかとご不安そうにされていた時期に手作り教室に参加され、そこでお茶飲み友達できました。
そんな思い出の詰まった大切な品。










         
           そして「自分で作ったから世界に一個だけよね」と笑顔でおっしゃっていました。












こちらの方は旅先で買い集めたお人形です。
この何倍もあったそうですが、厳選されたものだけレジデンスに持って来られたとのこと。





































キャラクターの中ではキティちゃんが一番お好きだということで、猫ちゃんのお人形が多いのですが、特に釣りをしている猫ちゃんと、それを羨ましそうに見ている猫ちゃんのペアがお気に入りだそうです。
それぞれに旅行の思い出も詰まっているのでしょう。お土産屋さんで笑顔でお人形を吟味されているお姿が目に浮かびました。











以前のブログでもご紹介しましたが、こちらの方の宝物は「絵」…ではなく、絵を描かれている時間です。
拡大鏡で資料を確認しながら細かい部分や陰影も表現されています。





















百人一首のように鮮やかな紫式部です。
本来なら難しそうなお着物の色の組み合わせが絶妙に合っています。
指先や髪の毛など、やはり細かい描写が素晴らしい作品ですね。


  



















こちらはレジデンス脇の遊歩道を写真をもとに描かれたものです。
色鉛筆だけで微妙な色合いや濃淡を表現されていますが、どの絵も優しいお人柄がでているように暖かさを感じました。
お休みの日はスマホ依存でゴロゴロすごしている私は、このようなお時間をお過ごしになっているお姿にいつも刺激をいただいています。












こちらは今回の拝見させていただいた宝物の中で一番ビックリしたものです。




・農地証券
戦後の農地改革に基づいて1947年~1950年にかけて実施。
都府県の在地地主の土地を一町部(約1ha)に制限し、それを超える小作地を国が買い上げられた。地主に対しての買上金と報酬額を年賦償還(年払い)のため農地証券を発行。し かしハイパーインフレのあおりをうけて紙くず同然になった。










こちらの持ち主である住民の方のお話しでは、当時お父様が千葉県にあった畜産の研究所に勤務していたため「不在地主」という扱いを受け
全ての貸与地が買い上げられたという名目で取り上げられたんだよ、とおっしゃっていました。
私は幼い頃3世代同居だったので祖父母から戦争の話を聞かされて育ちましたが、このように貴重な物を拝見するのは初めてでした。
終始笑顔でお話しされていましたが、ずっと持っていらしたということは色々な思い入れがあったのだと思います。



皆様の宝物を拝見させていただき、それぞれに大切なストーリーがあり、ささやかなことにでも幸せや喜びを感じることができる皆様のお人柄がうかがえました。
また「農地証券」という貴重な資料を通し、違った側面から改めて戦争について考えさせられました。
ぜひシリーズ化できればと考えています!


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